Lyrical Rabbit

更新予定なし

「悲しみトワイライト」発売記念イベント東京B



有明に来るといつもヲタバランスが狂う。なぜかというとここは私にとって別の思い出が強すぎるから。なんで「今」ここにいるの?って思う。しかも今回はスポーツ観戦ですらない。新曲イベント。モーニング娘の。もう石川さんがいないグループの。


正直当たるとは思ってなくて。だってほら、初回盤3種類買っただけだから。たくさん買って応募すれば当選率が上がりますよということが堂々書かれてるのを見たら応募したことさえ忘れたくなるのが普通じゃない?


何はともあれ、当選メールが来て、応募券を持ってDiffer有明に行った。応募券。これが大事だと、このシステムが始まってからわかったわけで。スケバン刑事のイベントではこの券をなくしてジエンドだった。別に行きたくなかったし、いいんだけど。石川さんだからって何でも見たいわけじゃあないの。スケバン刑事も石川さんも大好きだけど、あれには心が躍らなかった。何かをなくす、ということは、どこかでなくしたいと思ってたということだ。きっと私はスケバン刑事と石川さんというくくりをなくしたかったんだ。応募券はイベント後、部屋を掃除してたらあっけなく机の上から出てきた。多分、私の目にはこの券が目に入らなかった。イベントがあったということを思い出したくなかったから。


そう、イベントだった。入場チェックはあっさりすぎて、どうとでも偽装できると思った。中に入ると限定グッズの必死な売り子さんたち。CDやDVDを買うとポスターがもらえるよ!という釣りに反応したけれど、結局買ったのは限定DVDだけ。ポスターがもらえるのは普通のCDやDVDだった。新曲CDを買った人のためのイベントなのに、新曲のCDが山のように積んであったのは一体なんだったんだろう。


席はスタンディングだとばかり思っていたらちゃんと座席があった。座席指定券までもらった。私は娘。の新曲イベとか来るの初めてで勝手がつかめなかったけれど、いつもそうなのだろうか。新曲イベっていったら美勇伝で確か最近はバニーcでそういえばあの時も座席があったっけ。新曲イベントっていうとスタンディングって思いが強いのはヌケガラと紫陽花のせいだ。強烈な印象すぎて。


友人と一緒に来たけれど連番の席ではなかったので、一人で自分の席に座る。しばらくして、司会の人が来て、注意事項。そしてメンバー登場。衣装は新曲のものそのままだった。吉澤はちょっと疲れているように見えた。席が遠かったので、双眼鏡を出してずっと覗いてた。吉澤の顔と仕草と。だから正直ほんとにイベントの印象はない。吉澤の顔と、声と、体。足。スカート丈の下から膝上まで。動くと筋肉の姿が変わるのをずっと見てた。ああ、あんな人間本当にこの世にいるんだな。


ハワイで撮ったというVTRを見せられて、メンバーがクイズに答えるのを見て、それから、握手。田中が「高速だから」と先に言ったのに笑った。高速。あっちもそう思ってくれてるんだ。だったらもうちょっとゆっくりやればいいんじゃない?でもそれは彼女達の意志ではないから。ぞろぞろとスタッフが出てきて、白い恋人工場のおばさんたちだってもうちょっと優しく扱うぜ?てなスピードでヲタを送り込む。


「お前の給料は誰からもらってる?」
昔厨房にいた時に店長に言われた言葉を思い出した。


彼女達は悪くない。でも時々、やるせなくなる。


高橋は昨日の横須賀のコンサートで怪我をしたせいで椅子に座ったままの握手だった。下から見つめられた。
亀井はぎゅっと手を握ってくれた。
光井はほんとににっこり笑ってくれた。
田中。ごめんもう目が吉澤に行ってた。
吉澤。ちょっと体が引けてて、腰から上全部が見えた。ちっちゃい。思ったよりちっちゃい。用意してた言葉を告げたら、はい、ありがとうございます、と言った。唇を見てた。あの薄い唇がいろんな形になった。気づいたら私はステージを降りて、ドアを抜けていた。


終わってから有明サイゼリアでヲタ友たちと軽やかなヲタトーク。私はここにいてよかったのだろうか?そう思いながら。